福岡県久留米市のはねオンライン株式会社 |WEB制作|デザイン制作

縄文土器と岡本太郎

ここ数年、デザインってシンプル&ミニマルなものが多くなってきました。
そうです。世はまさに潔い美しさ、品のあるシンプルさ、引き算の美を求める時代になったのです。
2010年代中頃から、Googleの「Material Design」やAppleのiOSデザインガイドラインをきっかけに、影や立体感を排したフラットな表現が主流になり、スマホのアプリアイコンも企業のロゴも視覚的な認識、記憶の定着の効果を考慮しそのような時代の流れになってきたのでしょうね~。

お客さんとの打ち合わせの際に、デザインの提案をしに訪問すると

「あの、長尾さんさ」
「はい(・・)💦
「ここをもっとシンプルにして欲しいんだけど」
「はい。(え?(ºдº)💦💦ここは、イラレであーやったりこーやったりして、その後フォトショップでレイヤー階層で以ってあーでもない、こーでもないして時間をかけてやった分ですが=心の声)」

「ここもごちゃごちゃしてるからすっきりしたものに変更したいんだけど」
「はいはい、なるほど(え?ˊᵕˋ ; )💦そこもレイヤーマスクとかクリッピングマスクを活用して一番時間をかけて、あーやったり、こーやったりして2日ほど時間をかけた分ですが=心の声)」

「そしてここの背景もグラデーションで見づらいから単色でシンプルに~」
「確かに確かに️(へ?(ºº; ; )💦そこはマルチカラーグラデーションというモダンでユニークな・・・=心の声)」
なんていうケースも増えてきました。
→ヒアリング不足&実力不足&余裕のなさからくる余白少なめ人間のすっかり出来上がり♪

ということで、ここではド派手な装飾を「日本の創造性の原点だ!」と見出した人物を挙げ、縄文土器の謎と“シンプルの正体”を追ってみようと思います。

縄文土器は初等教育の教科書の中で「食器」「貯蔵器」として学びの場で紹介される、いわゆる“生活用品”でした。
そのような歴史の中の生活様式の一部として扱われていたその土器を芸術品として見出したのが、かの有名な岡本太郎です。

日本では「整っていて、上品で、秩序ある」弥生的な美(=静か・清楚・調和的)が尊ばれていましたが、それとは真逆の縄文土器の「荒々しく、情熱的で、内なる叫びを持つ美」に感動し、「日本人の本質は、弥生より縄文にある」と提唱しました。

岡本太郎の有名な言葉「芸術は爆発だ」は、まさにこの縄文土器に出会った体験から生まれたとも言えます。理屈や完成度ではなく、衝動・原始的な情熱・内発的なエネルギーこそが芸術だと確信したのです。(いいぞいいぞ、私の混沌としたデザインも肯定して欲しい☺️)

西洋でシュルレアリスムや抽象表現を学んだ後、「日本の本質的な芸術とは何か」と問い直していましたが、縄文土器の圧倒的な造形、渦巻き、突起、ねじれたフォルムは、実用性を超越した創造のエネルギーだぁぁとなり「日本の芸術には、こんなにも野性的で根源的な美があったのか」と、その答えの一端を直感的につかんだと言われています。
理性と感情、秩序と混沌、抑制と爆発――相反するものがぶつかりあうところにこそ、真の芸術が宿ると信じ、それを“対極主義”という思想で表現するようになります。岡本太郎は“縄文の混沌”にこそ、現代の私たちが失いつつある本質があると気づいたのです。

整うだけが美ではない、削ぎ落とすことだけが品ではなく、混沌との調和または混沌との不調和も人間本来が持つ真実としたのです。

そういえば何年か前に自動車メーカーであるプジョーがエンブレムのシンプル化を撤回したニュースがありましたね。他の自動車メーカーと同様にエンブレムをシンプルに簡略化したものの「高級感や伝統、強さ、熱量、そしてクラフツマンシップが欠如している」という課題を受け、逆にクラシカルで象徴的なデザインに戻すことで差別化を図ったとも言えます。やはりどんな時代でも対極する意見があるもんですね~~~。ていうか人間はそもそもその両方を持ち合わせ欲求しているのかもしれません。

~~まとめ~~
やはりこのような歴史を紐解くと、シンプル化は手段であって目的ではないということが、この動きからよく見えてくるような気がします。
混沌、それは秩序の仮面を外した真実といえます。そして人間とは、整いきれない生き物であり、不揃いな心・雑多な感情、それらが絡まりあった先にこそ、美が潜んでいるじゃないかと。
どうやら今回の事件、単純な美意識では解けそうにないです。(いつもながら不明瞭\(^o^)/)

芸術の前にそろそろ私の頭が爆発しそうだ。
芸術の謎は続く。

 

┏ ───────────────── )
はねオンライン 株式会社

〒830-0031 福岡県久留米市六ツ門町10-25 3F
TEL:0942-40-6330
FAX: 0942-40-6331
URL: https://haneonline.jp
┗ ──────────────────── ┛