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日曜日の昼すぎに、
「今すぐテレビつけて『のど自慢』見てみて!岡くんにそっくりの人が出てるから」
という電話が友人からかかってきたのは、2012年8月19日のこと。

 

その情報は、またたく間にわたしたちの草野球チームメンバーに拡散されました。

「ほんとそっくり」
「うたってる!」
「演歌!しかもめっちゃうまい」
「え、これどう見たって本人だよね?」
「わー-!!岡くんが今週のチャンピオンになった!!」

 

 
テレビの中で岡くんが演歌をうたっているってだけでもびっくりなのに、
うまくてびっくり、
「合格」の鐘が鳴ってびっくり、
「今週のチャンピオン」に選ばれてびっくりの、
現実に理解が追いつかないそんな日曜日となったのを覚えております。

 

わたしたちはそのときまで、岡くんが演歌歌手になる夢を持っていたってことをぜんぜん知りませんでした。

 

この草野球チームは、2006年、わたしと長尾が「野球やりたいね」ってことで、友人たちに声をかけて「お遊び」のような形ではじまったチームです。
2008年、「そろそろ試合したいね」と、人数も9名そろってないのに市の軟式野球連盟に加入し、それから2017年までの10年間、本格的に活動をしていました。
(チーム名はビルズ)

 

最初は試合に出るだけで精いっぱいだった弱小チームでしたが、
長尾がビルズのホームページをつくり、そこからメンバーが少しずつ増えていき、最後は市の軟式野球連盟のC級で優勝するくらいまで強くなった伝説のチームです。
(「伝説」はわたし個人の妄想レベルの主観です)

 

岡くんが初めてビルズに参加したのは、「NHKのど自慢」に出場した前の年の2011年8月7日。
彼が中学3年のときです。
中学生の野球少年から、参加したいとメールが届き、
「こんな弱小チームで満足してくれるのだろうか……」
とか、
「扱いきれないくらい、とんでもなく生意気だったらどうしよう……」
と、監督だったわたしの方がびびっていた記憶があります。

しかし、岡くんはとても素直でまっすぐな少年でした。
チームにもすぐに溶け込み、
「ビルズで野球するのが楽しいです」と言ってくれて、それからずっと参加してくれるようになりました。
 
彼が高校生になったとき、 Continue reading