福岡市科学館で開催されていた伊藤潤二展。
そのすぐ隣には、福岡地方裁判所があります。せっかくなので興味の湧く2つを同日に見ようと事前に予定を立てていました。
どちらも想像以上に“現場の空気”がすごかったです。
伊藤潤二展では、紙の中から這い出てきそうなキャラクターたちがじっとこちらを見つめ、ゾワッと鳥肌が立つような臨場感。富江が誘惑してきます。
一方の裁判所では、言葉少なな空間にピリリと張りつめた緊張感が漂い、検察官や弁護人のやりとりなど今までにない緊張感を味わいました。検察官は法廷のスナイパーのように鋭いです。
ホラーとリアル。
まったく別の世界に足を踏み入れたつもりが、気づけば似たような“生々しさ”に心を奪われていました。
そんな不思議な体験から、思いがけず「デザイン」について考えさせられた一日。よろしければ、探偵の小さな調査記録にお付き合いください。
①福岡市科学館:伊藤潤二展
◆企画展名:伊藤潤二 誘惑
◆場 所:福岡市科学館
◆開催期間:6月1日~7月13日
どうしても行きたかった企画展です\(^o^)/。
キャラクターや作風はもちろん魅力いっぱいなのですが、いろいろな素晴らしい作品を見ているとホラー(恐怖)と笑いって少し重なる部分があるなと気づきました。
全く同じ状況でも怖いと面白いって、どっちに感情が転ぶかわからないことってありますよね。怖いのになぜか笑っちゃうとか、面白いと思ってたけど、よくよく考えてみたら怖ぇぇ~~みたいな。
↑状況はとても怖いけど、顔をぎゅぬ~~って絞ってる場面は面白いです。
このムニュニュニュニュ感は怖いけど面白い😅
けどすこし粘着質のデゥルデゥルヌチャヌチャ感が迫っていくる感じは面白いけど確実に怖い😣
快心の擬音を見つけたくて、作品の前でずっと
「ムニュブジュグニュヌチャ」とか
「ジュブヌラタラプチグチャ」とか
「ムルムルジュパジュパヌ~~~」とか、ひとりつぶやきながら鑑賞してました。(その行為が怖い)
透明だけど少し緑っぽいような黄色も混じっているであろう液体と、今まで嗅いだこともない変な匂いもするであろう脂が、目や口や鼻からまるで生き物のように侵入していきクサ!オエ!・・・とか想像するともう逆に快感に近い気持ちにもなりますね。。爪と皮膚の間から侵入しちゃったりして。。粘膜火傷しちゃったりして。うぅ~快感。。(その感覚が怖い)
そして作者の伊藤潤二さんのインタビュー映像も少しありましたが、それがあまりにも普通すぎて怖いです。真面目そうな顔つきで奇抜で過激なことを一切言わない感じが、ここでの一番の恐怖だったかもしれません。(だからなおさら興味が湧いてしまいます。)
②福岡地方裁判所
そして次にむかったのが裁判傍聴
ドラマでの裁判シーンでよく見る光景で「異議あり!今のは被告を誘導していると思います!」「いやいや異議あり!!!今の弁護人の意見は主観的で公平性を欠いた発言です!」とかのやりとりを見かけたこともあるかと思いますが、まぁドラマだし、実際のところはどうなんだろうな~~と思ってました。
実際の法廷では、傍聴人のだれもが息をひそめ、言葉を待っています。その緊張感は、美術館や劇場とも違う、独特の“現実の重さ”を含んでいました。
証言、反論、裁判長の静かな語り。感情が表に出ることは少ないのに、言葉の裏側にある背景や人生がひしひしと伝わってくるこの現場は、まるで自分もその事件に巻き込まれているような決して他人事ではないような感覚に陥ります。
これはただの手続きではなく、人の人生を左右し、人間の心の揺れと社会の在り方が交差するドキュメンタリーでした。😑
③福岡市科学館:常設展
その後、科学館の常設展示のチケットを購入していたので再度科学館へ戻り色々見て回ったのですが、ただ鑑賞するのではなく触って、身体を動かして、のような好奇心を沸き立たせる展示方法が素晴らしいと感じました。
しかしなんつっても裁判が気になり、再度裁判所に戻り、結局3つの裁判を傍聴しました。
舌鋒鋭い検察官・被告を優しく包み込むベテラン弁護士・公平な立場で見守る裁判官。
いや~~司法も生の現場を経験するというのは貴重な経験でした。(また行こう。。)
④福岡市美術館
その後、歩いて福岡市美術館へ🚶♂️➡️
さすが福岡市美術館。この日もさまざまな展示が開催されていました。
・ハローキティ展
・これが福岡市のコレクション展
・飛躍のためドローイング
・生きている壁画
など
ふむふむ、いいですね~。
福岡市のコレクションを観てコーヒーを飲みながら、次はどれを観ようかなと考えるのですが、頭の中は裁判ばかり。。
なんだかいつもとは違う面持ちで美術館をあとにしました。
予定では、博多へ行き「動き出す浮世展」を鑑賞する予定でしたが、暑さと裁判の余韻で次回にしようかな…と考えてたら「異議なし!」という答えが頭の中から聞こえてきたので、今回の調査はここまです。
伊藤潤二展で感じたゾワッとする空気。
法廷で味わった張りつめた静けさ。
科学館でふと立ち止まった仕掛けの数々。
どれも「デザインされた空間」でした。
でもそれは、ただおしゃれに見せるためじゃなく、そこで何かを感じてもらうための工夫が、そっと仕込まれていたように思います。
見た目だけじゃなく、音も沈黙も、距離感も。
人の気持ちをそっと動かすための「見えないデザイン」が、あちこちに転がっているんだなぁと気づかされました。
デザインって、ちょっと不思議で、でもすごく身近で。
気づけば今日も、その中に生きているんだなぁと思う一日でした。
美的感覚を磨くためのアート研修はまだ続きます。
傍聴も続きます。。
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