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ふたつの上司の器

人の「器」って、何かのトラブルに直面したとき、決断を迫られたときなどにあらわになるようです。

お手本になる「上司の器」と、そうではない「上司の器」を同時に味わったときのお話です。

社会人1年目のある日、社員みんなでダイレクトメール(DM)発送作業をやってました。
パンフレットを3つに折って、封筒につめて、手書きで宛名を書いて、糊付けして、切手を貼って発送をするという手順です。

みんな手作業が当たり前の1995年。

みんなで何百通か発送しましたが、そのうちの1通がクレーム付きの「受取拒否」で戻ってきたという事件がありました。

部署が2つありましたが、今回は話を分かりやすくするために、【若手部署】と【おじさん部署】と呼ぶことにいたします。
(わたしたち新人は若手部署)

おじさん部署の1番上の責任者(50歳くらい)が全体朝礼でカンカンです。

「1通、受取拒否で戻ってきた!宛名の横に失礼な落書きを描いて送ったやつがおる。すぐ名乗り出ろ!」

その戻ってきた封筒は、どうやらわたしたち若手部署から発送したもののようです。
わたしは身に覚えがまったくなかったので「描いたの誰?どんな落書き?」と傍観者の気分で興味津々でした。

いつまでたっても誰も名乗りでませんので、おじさん部署の責任者(50歳)はさらにヒートアップしてます。

わたしたちの若手部署の責任者である所長(25歳)に、
「そっちの部署の中に犯人が必ずいるんだ!今から現物の封筒を回す!誰がやったか突き止めろ」とベテラン刑事のように怒ってます。

私は回ってきた封筒をワクワクしながら見ました。

「どれどれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

見た瞬間、息をのんでしまいました。

わたしの字だったからです…。

そしてこの絵…
Yくんだ…。
ちらっと隣にいたYくんを横目で見ると目が合いました。

そのあとの休憩時間に、トイレでYくんと話をしました。
「やばい、あれ…おれの絵やん…」
「字はおれのだった…」

所長(25歳)に正直に話そうということになり、わたしたちは誰もいないトイレで所長に事情を説明しました。

「書き損じの処分コーナーに置いてあった封筒に落書きをして、それが何かの間違いで発送コーナーに混じってしまったようです」
「宛名はわたしの字でした…」

所長はそれを聞いて笑ってました。

「午後名乗り出ます!」

「いいよもう言わなくて。わざとやったんじゃないみたいだし。うちの部署には誰もいないみたいです、って言っておくから」

「でもそれじゃ所長がまたいろいろ言われてしまいますので…」

「大丈夫大丈夫」と言いながらまた笑って行ってしまった所長を見て、私は「なんだこの上司の器の大きさは…」と打ち震えておりました。

午後、「犯人は見つかったかー?」とおじさん部署の器の小さい責任者(50歳)が若手部署の責任者である所長(25歳)をまた責めてましたが、「いや~うち誰も書いてないみたいなんですよね~」と聞こえてきました。

反省している部下をさらに責めて反省を促すより、笑い飛ばし、しかも何かからかばってくれる方が、部下は大いに反省し成長するってことを身をもって学んだ瞬間でした。

わたしはまだまだその域までいけてませんが、誰かの悪意のない失敗は笑い飛ばせるように修行中です。

(ちなみにこの若手部署の所長は、現在、東通西日本株式会社の社長です)

最後になりましたが、悪意はなかったにせよ、大変不愉快な思いをさせてしまった寅二郎様には心よりお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。

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