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健康診断ボクシング

みなさんは「気絶」ってしたことありますか?
アニメとかマンガなんかじゃ、気絶するシーンってよくありますよね。
しかし現実世界では、そう簡単には気を失うことはありません。

先月、会社の健康診断でした。
健康診断の1ヶ月前くらいから憂鬱になります。
わたしにとっては緊張感の走るビッグイベントなのです。
やったことのないボクシングで、いきなり鬼瓦みたいな顔の漢(おとこ)と真剣勝負の試合をやらなければならないような、そんな緊張感。
今年はどんだけ殴られるんだろうかと…。

というのも、20代のころに健康診断にボッコボコにされて、『完全な気絶』を経験したことがあるからなのです。

今後、健康診断くらい気軽にいけるようになりたい…との願いを込めて、ここに過去の戦いの記録を記すことにいたします。

試合の記録(VS健康診断)

1ラウンド目は、身長・体重・視力測定など。
まだまだ準備体操レベルです。
さすがにまだ大丈夫。

2ラウンド目。
このあたりから徐々に相手の攻撃が強くなりました。
最初の攻撃は、ボディブローの役目である「血圧計 」。
「血圧計の何にやられるわけ?」って思われる方も多いでしょうが、
腕を締め付けられたときの、血管がドクンドクンってなるあの気持ちの悪さったら…。
(「分かる分かる」っていう人もいると思うんですが…、どうでしょうか…)
2ラウンド目で、少し気が遠くなりました。

まだ完全にダメージが消えないまま次のラウンドへ。
3ラウンド目の開始のゴングが鳴ったとたん顔面に右ストレートを食らいました。
「採血」です。

別に先端恐怖症ではないし、尖ってるものを触っても全然平気。
じゃあなんで注射が怖いのか…。
それは『恐ろしい想像力』を掻き立てられるからなんです。

まず、針を皮膚に突き刺すってだけでも恐ろしいのに、皮膚の奥の血管にまで針を刺しますよね。
血管って、血の管ですよ、ちのくだ。
約4~5リットルの血が、けっこうな速度で流れてます。
すぐにでも破れそうな薄い管にいきなり針なんか刺したら、水風船に針を刺したときみたいにパーンって弾けそうじゃありませんか?
さらにその刺した針から、流れている血を吸い取るわけでしょ…。
どう考えても自然な行為だとは思えない。

で、注射器の中に赤々とした液体が入っている、あのまがまがしいフォルム…。
いま思い出しただけで、アキレス腱の力が抜けてきました…。

「さ、次はレントゲンですよ」と看護師さん。
血を抜かれて『あしたのジョーのラストシーン』みたいに座ってましたが、なんとか立ち上がりました。

次のレントゲン室までいく間は、次のラウンドまでの間のつかの間の休憩時間。
少しでもゆっくり歩いて行こう…。

と、そのときでした!
絶対目に入らないようにしていた自分の血が入った注射器が目に飛び込んできたんです。

休憩(インターバル)時間に、いきなり左フックをくらったも同じです。
「おい…反則だぞ…」と声を出そうとしますが、もう声も出ません。

ふらふらになりながらもなんとか看護師さんに連れられて、レントゲン室に入りました。
「ここにあごを乗せて胸を張って両手は後ろに組んでください。わたしは部屋を出ますので、あとは指示にしたがってくださいね」
「……ア……ハイ……」

ガチャリと扉が締まりました。
4ラウンド目、開始の合図です。

「はい、いいですか~。では大きく息をすってしばらく止めててくださいね」とマイクを通した看護師さんの声が聞こえました。

レントゲンって放射線が微量に出てるって聞くよなぁ…。
なんで看護師さん出て行ったんだろ…。
やっぱり危ないから…?
今この胸にどんだけの量の放射線が浴びせられテルノ……カチラ……。

息を止めてそんなことを考えていると、目の前が真っ白になってそのまま後ろへ…。
あごへのアッパーカットがきれいに決まった瞬間です。

しばらくたって意識が戻り、目を開けると、ドラマで見るような数人の顔が自分をのぞき込んでいる光景が見えました。
「あ、すみません…」と起き上がろうとすると、「動いちゃダメ!!」と看護師さんの女性の声。
男性の医師も、手首で脈を測りながら「動かないで」と緊張感のある声。

もうとっくに10カウントは数えられてる模様。
ああ…試合…終わったんだ…。
ノックアウトされたんだ…。

4ラウンドKO負け。
なんならTKO負け。
実力差が激しすぎて、レフェリーが試合を終了させるレベル。

後頭部からは少し血も出ており、でっかいタンコブができてました。
検査の結果、打撲のみの軽傷でしたが、当日はそのまま早退し翌日からは会社を3日間休むはめになりました。

「もし打ちどころが悪かったりしたら大けが…もしくは…」
と医師から言われました。

翌年談

翌年の健康診断も同じ病院で。
採血後、また例のごとくぐったりしながらイスから立ち上がろうとすると、看護師さんに、
「あ、まだだめです。しばらくベッドで横になっててください」と言われました。「去年、健康診断で倒れた方がおられまして、それから採血のあとはみなさんしばらく横になってもらうようにしてるんですよ」と。
「あ…。それ…、わたしです… 」と言うと、
「えーー?あなたがあの…」とまるで伝説の人物でも見るかのように驚かれました。
いち病院の診察のルールを変えるような影響を与えた自分を誇りに思います。
(おまえは何もえらくない)

追伸:お礼

医療・介護従事者の皆様、人々の大切な命を守るために、わたしなんかの想像の及ばない忙しさや緊張感に追われる毎日と推察したします。
ほんとうにありがとうございます。

注射される側より、注射をしてあげる側の方がどれだけ大変で尊いことか…。
たかだかこれだけのことで大騒ぎしてしまい申し訳ありません。

今回の記事は、日頃の感謝の気持ちを込めて書かせていただきました。

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