【正義の味方に憧れてた】
すっごい悪いヤツをやっつける正義の味方。
怪獣、鬼、悪魔、極悪人をやっつけるそんなヒーローに憧れてました。
ウルトラマンも仮面ライダーも水戸黄門も半沢直樹も、
「まったく同情のできない悪いやつ」を、
ぼくらの代わりにやっつけてくれるので、その日はぐっすり眠れます。
桃太郎もそうです。
敵は鬼なので「完全悪」の存在。
その鬼をやっつけることに何の疑問もありません。
桃太郎が鬼に勝った!
人々に悪さをしていた鬼をやっつけた!
ばんざい!
めでたしめでたし。
そう思ってました。
このイラストを見るまでは。
【ヒーローの正体】
考えたことがなかった。
桃太郎がやっつけた鬼に子供がいて、泣いてる姿なんて。
これは2013年度の新聞広告クリエーティブコンテストの
「しあわせ」というテーマの最優秀賞をとった作品です。
※ コピー: 山﨑博司さん
※ デザイン・イラスト:小畑茜さん
たまたま読んでいた本で見かけて、
頭を殴られたような気持ちになりました。
敵を殺したこちら側のヒーローは、
向こう側では悪魔と呼ばれてる。
ヒーローの正体は、
限定された世界から見た、ただの一方的な解釈
に過ぎなかった。
消しゴムの怪獣をこてんぱにやっつけて、
100%絶対的な正義の味方ぶっていた小さい頃の自分にビンタしてやりたいです。
自分が立っている場所から世界を見る、
ってだけではなく、
反対側の立場からこちら側を見る力、
をもっと身に着けていきたいと思っています。
【反対側からこちら側を見る力を鍛えるために】
そんな力を鍛えるには「物語」が効果的。
「こんな考え方はダメですよ」と
道徳的に学んでもなかなか変われなくても、
登場人物と一緒に心を動かされながら物語に入り込んでしまうと、
自分の内側から大事なことに気がついたりする瞬間があります。
なんてったって、物語に触れることは楽しい♪
【余談:ということでおすすめ物語】
同じ世界を見てても、こちら側とあっち側ではこんなにも見え方が違うのか…。
正義とはなんだろう…。
戦争ってなんだろう…。
生きるってなんだろう…。
映画とか小説とかアニメとかにそんなにいろいろ詳しくないんですが、
そんなことを考えさせてくれた物語はこれです。
『進撃の巨人』\\\\٩( ‘ω’ )و ////
(ベタですが…)
高校の教科にでもしてしまえばいいのにって思ってしまいます。
最初は、
『人間を食べる謎の巨人を、謎を解き明かしながら人類が力を合わせてやっつける』
ひとことでいうと、少年誌によくあるそんな話でしょ?
と思ってたんですが、次元がまったく違いました。
一度、途中で読むのをやめた離脱組なんですが、
昨年の9月のアメトーーク!で進撃の巨人芸人たちが、
「途中で読むのをやめた人ももう1回ぜひ読んでほしい」
と言ってるのを聞いて、再チャレンジしました。
世界の全体像が見えないまま物語が進んでいくので、何度も読まないと途中から理解が追いつかない…。
でも、全体像が見えてくるにつれて、もうその世界から抜けられなくなりました。
「この物語って、昔、実際に存在した国の話だっけ?」
ってくらい作り込まれた世界が描かれています。
もうすぐ最終回を迎える今は、
早く読みたいけど、もうそれ以上読めなくなるなら読みたくない、
という駄々っ子の心境になっています。
数年前、
当時、一緒に働いていたSさん(女性)が、
発売されたばかりの『進撃の巨人20巻』をうれしそうにツイッターにアップしてました。
「あぁ進撃の巨人ね。今もちゃんと読んでるんだ、えらいね~。
おれ9巻くらいで読むのやめちゃったんだよね~。ふふふ」
なんて、若干上からほほえましく見ていた自分なんて鬼の子供から棍棒でビンタでもされてしまえ。
Sさんごめんなさい。
余談のつもりが、メインコンテンツ並みに長くなりました。
語り出すと止まらなくなる性質がありますので、この辺で失礼いたします。