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焼くべきか焼かざるべきか、それが問題だ

これは死ぬまで誰にも言わないでおこうと思っていました。
自分の中だけに秘めていようと思っていました。

 

これを公言してしまったら、今後の人付き合いに支障が出るかもしれない。
なるべく波風立てずに生きてきた人生を、自ら壊してしまうかもしれない。
嘘つきだったんですね、と信頼を失うかもしれない。
とんでもない詐欺師野郎め!とののしられるかもしれない。

 

しかしもう告白することにします。
墓場まで持って行くには荷が重すぎます。

 

じつはわたし、
「焼きおにぎり」を美味しいと思ったことがないのです。

(とうとう言ってしまった……)

 

昔、居酒屋で、
「締めでおにぎりを頼みますが、
焼きおにぎりと普通のおにぎり、どっちがいいですか~」
と注文をとられたことがありました。
6人中5人が「焼きおにぎり」を選び、
6人中6人目のわたしも、
「じゃ、焼きおにぎりで」
と、平然とした顔をして手を挙げました。

 

出てきた焼きおにぎりを食べながら、みんな口を揃えて言っています。
「焼きおにぎりってやっぱりおいしいね〜」
「この香ばしさがたまんないね」と。
わたしも小さくうなずいたりしながら、
さりげない声で「うん、うまい」と、
あたかも「焼きおにぎり大好きびと」みたいな顔をして食べました。

 

みんなして、自分に嘘をついているはずだ。
焼きおにぎりの味が分かるおしゃれな人間を演じてるだけだ。
そう思いました。

 

あー、どうせおにぎりを食べるのであれば、ふっくらあったかいおにぎりが食べたい。
海苔が巻いてある塩味のきいた白い米が食いたい。
具は、シャケでも明太子でも昆布でも梅でもおかかでもいい。
なんなら具なんて何も入ってなくたっていい。

 

だれだ、おにぎりをこんなに黒くカチカチに焼いたのは。
いつからだ、焦がしたおにぎりが堂々とメニューに入っているのは。
米を焼いていい場面は、煎餅をつくるときだけのはずです。
「焼き飯」と言うメニューもあるじゃないかと反論されるかもしれませんが、実際にはあれ、炒めてますから。
(ちなみに煎餅は大好きです)

 

ちょっと調べてみると、
どうやら、焼きおにぎりがブームになったのは、
1989年にニッスイが冷凍の焼きおにぎりを発売してからだという説が有力です。
改良も重ねながら30年以上のベストセラー商品になっているとのこと。
1989年は平成元年ですから、平成時代は焼きおにぎりと共にあったわけです。

たまりしょうゆに、二段仕込みしょうゆをブレンドし、おにぎりの中までしっかりしょうゆ味。こんがり焼き色、しょうゆの香ばしさと中はふっくら、熱々の焼きおにぎりのおいしさをお楽しみいただけます!』
~ニッスイのホームページから引用~

 

うむむ……。
30年以上も売れ続けているのであれば、それだけみんなが喜んで食べている証拠なんですよね……。
実は思った以上にうまい食べ物なのかもしれない……。
わたしの口が未熟がゆえ、うまさを感じてないだけかもしれない……。
おにぎりとは白くて柔らかいものだという固定概念に縛られているだけなのかもしれない……。
いつまでもふわふわのおにぎりを求めているのは、わたしの幼児性が原因かもしれない……。

 

ところで、「たまりしょうゆ」とは何なんだろう。
頭の中では、でっかい寸胴鍋に貯めた大量のしょうゆに、大量のおにぎりを浸した絵が浮かんでいますが、おそらく完全に間違っていることでしょう。

焼きおにぎりは意外と奥が深そうです。

 

そういえば、コーンスープの中に浮かんでいるクルトンの存在も許せないと思っていたことを今思い出しました。
どうやら、柔らかいものと硬いもののハーモニーがわたしには理解できないようです。

 

わたしもこのあたりで大人になって、焼きおにぎりに一度真剣に向き合ってみないといけない時期がきているのかもしれません。

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