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養老先生の話を聴きにいってきました ~怪獣を解剖した先生~

4月の日曜日。
日帰りですが、京都まで養老先生の話を聴きにいってきました。
 

養老先生のかんたんなプロフィール

 
養老 孟司(ようろう たけし)氏は、東大医学部卒で解剖学者。
現在、85歳。(2023年4月現在)
 
第二次世界大戦後の日本における歴代ベストセラー、
第5位である『バカの壁』(2003年)は、450万部以上発行され、
養老孟司氏の名前は世の中に知られることになりました。
(ちなみに第1位は『窓際のトットちゃん』黒柳徹子著です)

とは言え、それ以前から解剖学の世界では養老先生は有名だったようです。
なぜなら、
1996年に上映された『ガメラ2』に、
北海道大学獣医学部の教授役として出演し、
ガメラの敵である怪獣(小型レギオン)を解剖しておられます。
 
怪獣の解剖ですよ!
 
世の中には数多くの解剖学者がいると思いますが、
怪獣を解剖したことのある方は、そうそういないはず。
出番はほんのちょっとだけでしたが、いい味出されておられました。
(ちなみに主演は水野美紀さんです)
 
本はなんと100冊以上執筆されていて、
雑誌での対談や、テレビ出演もたくさんあります。
YouTubeのチャンネルも持ってあります。
 
趣味は、小さいころからやってるらしい『虫集め』。
なかでもゾウムシに夢中のようです。
箱根に、「養老昆虫館」というものを作られており、
その中には昆虫の標本がたくさん並んでいます。
 

養老先生についての先入観と実際の姿

養老先生に興味をもったのは、その数ある書籍を読んで……、
と言いたいところですが、
実は養老先生が飼っていた猫の「まる」ちゃんがきっかけでした。
ちゃんと正確に書くならば、
先に、妻が猫のまるちゃんと養老先生のファンになり、
その本やテレビをとなりで見ていたわたしも影響をうけた、
というのが実情です。
(できれば自分の手柄のように語りたいんですけども……)
 
『まいにち養老先生、ときどきまる』
というNHKのテレビ番組がとてもよかったんです。
 
養老先生は、東大出身だし、
『バカの壁』というタイトルの本を出しているくらいだし、
きっと気難しい人なんじゃないかな……と、
漠然に勝手なイメージをつくっていました。
ところが、テレビ番組の中に出てくる養老先生は、
意見としては厳しいことを発言されることはあるにせよ、
人柄自体がとても穏やかでした。
むしろ「癒されてしまうレベル」です。
人生の大先輩に向かって失礼だとは思いますが、
じっさい癒されるので仕方がありません。
 

講演会の前に写真展へ

ひとり、最寄りの駅から電車に乗り、京都へ向かいました。
博多から「のぞみ」に乗ること、2時間44分。
ちょうどお昼くらいに京都に到着。
おなかもすいてきました。
京都で何食べようかな。
(それも旅の楽しみのひとつですよね)
 
講演会会場とは別の場所で行われている写真展があってるらしく、
まずはそこを目指しました。
京都駅から地下鉄で4駅。それから徒歩10分。
10坪くらいの小さな
『blue book gallery (ブルーブックギャラリー)』
という空間があるそうです。
この辺なんだけどなあ~、目印も看板もないな~と思って歩いていると、
突然右側にあらわれてびっくりしました。
 
『まると養老先生 ことばと写真展 「そこに“まるがいた”」』の展示場、
『blue book gallery 』に到着です。
 
まると養老先生

 
入った瞬間から心を持っていかれました。

 

 

まると養老先生

 
猫のまるちゃんは、2020年12月に亡くなりました。
その1年後に発行された本、『まる ありがとう』の中のことばと写真が、パネルなって飾られています。

 

まると養老先生

 
こうやって、写真とことばが切り出されると、本の中で読むのとまた違った感覚で伝わってきます。

※ スマホだと写真の中の文字が小さくて見えにくいとおもいます。すみません。
 

まると養老先生

 

まると養老先生

 

まると養老先生

 

まると養老先生

 

まると養老先生

 

まると養老先生

 

まると養老先生

『まるのお骨はまだ家にある。墓がないわけではない。要するに埋めたくない。』

 

まると養老先生

 
あまりにも居心地がよかったし、
しみじみとまるちゃんの写真と養老先生のことばを味わっていると、
思った以上に時間が経ってしまいした。
そろそろ、講演会場の移動しないと間に合わなくなりそう。

 
(※ 展示場の写真は、掲載の許可をいただいております)

 

講演会へ

京セラ美術館

 
おなかもすいてたので、京セラ美術館についたら何か近くで食べて……
と考えていましたが、コンビニすら見当たらず。

 

京都市京セラ美術館

 

養老先生 特別講演

 
今日の講演は、指定席ではなく先着順。
少しでもいい席に座りたい、ということで何も食べずに講演会会場へ。
(前泊していた妻とここで合流しました)

養老先生特別講演会

 
定員100名の講演会。チケットは完売。
(※ 養老先生の写真は、ネットやSNSにはアップしないというお約束。
なので、上の写真には養老先生は写っていません)

 
いよいよ養老先生が出てきました。
「ひとことも聞き逃さないぞ」という100人の集中力。
そんな静けさからはじまった講演は、
へーそうなのかという驚きや、
ふむふむなるほどという示唆に満ちていて、
そしてときおり笑いもあり、
あっという間に過ぎていく時間でした。
最後の質疑応答で聞いてみたいこともあったんですが、
残念ながら時間切れとなりました。
でも聞きたかったことの答えは、実は今日の話の中にちゃんとあったのです。
直接答えていただいたも同然で満足です。
 
このあとは、養老先生のサイン会です。
目の前でサインを書いてもらっているときに、
前から気になっていたことを、養老先生にたずねてみました。
「先生の時計はどちらのですか?」
「これはセイコーです。いただいたんですよ」
教えていただきありがとうございました。
セイコー買わなきゃ。
 
「このあと、写真撮影会もおこないます」と案内があり、
会場のざわつきが一段と大きくなりました。
養老先生を中心にみんなで一緒に撮るのかなと思いきや、
ひとりひとり、先生とツーショットで写真を撮ってもらえるみたいです。

まるでアイドルに会いに来たような感じで舞い上がっている人々。
「養老先生とツーショットですって!」
「いや~うそ~!感激」
という声があちこちから聞こえてきます。
「すごいね、養老先生の人気ぶり」と妻に話かけたら、
妻が会場内で1番舞い上がってました。
 
16:30。会場をあとにします。
満足して会場を出ると、急におなかがすいてきました。
朝から何も食べてなかったことを忘れるくらい、
わたしもしっかりと舞い上がっていたようです。
 
妻のリクエストで、
昭和23(西暦1948)年からある昔ながらの喫茶店「トワレ」という店に向かいました。
そこで甘いものをいただき、養老先生のことを競うように語り合い、わたしは先に帰ります。
(妻は明日も養老先生の大阪公演に参加するため、もう1泊)
 
猫のまるちゃんの話や写真に一日中触れていたら、
我が家の猫にはやく会いたくなりました。
 
帰ろう。
 
京都駅で新幹線の出発時刻ギリギリで乗り込み、
博多駅でも、痴漢行為がバレて逃げていると疑われてしまうくらいのスピードで、在来線に乗り換えました。
 
結局、ごはんを食べる時間なんか全然ないまま、家に到着。
 
22:30。
腹をすかせた2匹の猫と一緒に、ガツガツモグモグとごはんを食べながら、
今日の昼間、自分はたしかに京都にいたんだよね?
と不思議な気分。
 
1日のはじまりと終わりが「日常」で、昼間が「非日常」、
その差が大きければ大きいほど現実感が希薄になるみたいです。
 
そんな夢のような現実を味わえる日帰りの旅もなかなかいいもんだなと。
 
養老先生大阪公演のみやげ話を楽しみにしながら、
満腹になった3人は、川の字になって眠りの中へ沈み込んでいきました。

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