とある小学校で、通信機器の工事の日。
作業の途中で脚立が必要になり、車まで取りに行くことに。
暑い…。
腕に当たる直射日光は痛みを感じるレベルです。
本日の気温38度。
ワシャワシャというセミの鳴き声。
(エアコンの効いた職員室に早く戻ろう)
そう思いながら、車の上から脚立をおろしていると、運動場から少年たちの声が聞こえてきました。
小学生の少年たちが3人で野球をやっています。
ピッチャーとバッターと守備。
広い運動場なのに、守備は1人。
転々と遠くまで転がったボールを追いかけて戻ってきた青いTシャツの少年は、ゼーゼーと息を切らしています。
「おい……シュン……おまえ……ちょっと……打たれすぎ……」
と、膝に両手をついてピッチャー少年に文句を言いました。
「打たれるってことはコントロールがいいってことぜ!」
ピッチャーのシュンは反論します。
青ティー少年はそれには何も答えず、ゼーゼー言ってます。
「そうだ、今からWBC大会をやろうぜ」
白い帽子をかぶったバッター少年が提案しました。
(ほほう。WBCがはじまるのか。どれどれ)
わたしは、車内に置いていた沸騰寸前の熱いペットボトルのお茶を飲みながら運動場の方をコッソリ見ていました。
「1番、センター、ヌートバー」
(なるほど、2023年版のオーダーね)
「に、変わりまして……」
(え、いきなり代打?1打席目なのに?)
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