「あんたはよかね〜、コンピュターを使いきるけん」
パン屋さんでパソコン作業をしていたら、知らないおばちゃんに話しかけられました。
この話は、自分のノートパソコンにコーヒーをこぼしたあの日の続きです。
(そのときの記事はこちら)
店内はお客様が出たり入ったり。
もともとここはスタバじゃなく、パン屋さん。
なので長居をするお客さんはそんなにいません。
2時間もいるのはわたしとおしゃべりの止まらないおばちゃん2人組だけです。
(※ 新型コロナ感染症緊急事態宣言が発令されていない時期のお話です。食後は、わたしもおばちゃんたちもマスクを着用しておりました。一応補足しておきます)
話題が次から次へと出てくるおばちゃんたちもとうとう立ち上がりました。ようやくお開きのようです。
そのおばちゃんがわたしの隣を通過しようとするときに、その足が止まりました。
視線を感じました。
ん?
見上げると、
「あんたはよかね〜、コンピューターを使いきるけん」
と、冒頭のセリフをおばちゃんから投げかけられました。
話かけられることを想定しておらず、しかも「はい」なのか「いいえ」なのかどう答えていいか分からずモゴモゴしていると、
「わたしもね、20年くらい前にね、コンピューターくらい使えるようになりたかね〜と思って旦那にそげん言うたとよ。
そしたらね、
『50も過ぎてそげん難しかことはどうせしきらん。やめとけ』と反対されてね、
『そうね〜やっぱ無理かね〜』と自分でも思ってあきらめたとよ。
でもね、やっぱりあの時、しとけばよかった〜!
旦那の言うこととか聞かんどけばよかった〜!
と今になって後悔しとるんよ。
あたなみたいな人「SE」っていうとやろ?
20年もあったらね、わたしもSEになっとるよ。
仕事も趣味も何でもできるんでしょ?それひとつで」
「まずわたしはSEではないですし、そんなに簡単にSEになれるわけ…」
「あなたも覚えときなさい!」
「は、はい!」
「自分がやりたいことは、人が反対してもやっときなさいね。
まわりの人の言うことに流されたらいかんよ。
じゃないと、あとになっておばちゃんのようにゼッタイ後悔するよ。
やりたいならやる。
ほんなこつよ」
トイレから出てきたもうひとりのおばちゃんも一緒になって、
「ほんなこつほんなこつ」
と相づちを打ってます。
「わかりました」
※方言をかなりやわらかくして書いていますが関東地区のみなさま伝わりましたでしょうか?
(心配しなくても関東の人は読んでいません…)
「SE、がんばんなさいね」
とおばちゃんたちが店を出ていきました。
なんだったんだろ今のは…。
生きていくうえで大事なメッセージは、思いもかけないところからいろんな形で降ってくるようです。
もし今から20年前の自分にメッセージを送れるなら、
このSEになれなかったおばちゃんと同じメッセージを送るかもしれないな~。
なんてなことを考えながら、
やってみたいことはやってみる2021年にしていこう。
2041年にまた、同じメッセージを今年の自分に送ることにならないように。