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いとこの披露宴にはカメラを持って

10歳以上歳の離れた従弟(いとこ)の結婚披露宴に行ってきました。
今年の3月に会ったとき、生まれたころから知っている彼は、すごく立派な青年になっていました。

 
こんなおめでたい日にはちゃんとしたカメラを持っていこう。
80名近く参加するみたいだし、いいシーンに出くわしそうな気がします。
 
失敗がないように、前の日の夜から丁寧にしっかりと準備をいたしました。
 
今までカメラに関する失敗はこんなことがあります。
● SDカードが入ってなかった。
● 充電し忘れてカメラの電源が入らなかった。
● 予備のバッテリーを忘れて後半はただの荷物になった。
 
同じ過ちは、もう二度と繰り返したくありません。
 
 

明日の準備をしながら、
「そういえばカメラを持つことが楽しくなったのはいつ頃からだっただろう」
と、思い返していました。

わたしの場合、
「小学生のころから気が付いていたら父親のカメラを手にもって遊んでいた」とか、
「中学生のころに見たアンリ カルティエ=ブレッソンの写真集に衝撃を受けて……」とか、
そんないい感じの理由は一切なく、残念ながら消極的な理由でした。

 

10名を超えるような団体行動があまり得意ではなかったわたしは、グループで遊びに行ったり、何かイベントをやるという機会があると、早く終わんないかな……と、こっそり思っているタイプでした。
(今でもあまり変わってません……)
 
みんなが楽しそうにやっているのに、自分だけポツンと置いていかれているような居心地の悪さを感じることが多かった記憶があります。
 

19歳くらいのある日、サークルのイベントのときに「今日のカメラ担当」の役割になってしまいました。
 
フイルムカメラ時代にこれをやったことある方はご存じだと思うんですが、この役割って結構面倒なんですよね。
まず写真屋さんに行き、当日撮った写真を現像をしてもらいます。
次に、どの写真を何枚焼き増しするかを決めるために、出来上がった写真たちを友人たちに見せます。
そして、みんなの回答を聞き終わったら、また写真屋さんに焼き増しの注文に行きます。
出来上がった写真を受け取りに行き、それを友人別に仕分けして、ようやくみんなに渡すことができます。
多くの場合は、1枚30円前後でお金のやり取りも発生しました。
そう思えば、今の時代のなんと楽なことか。(無料だし)
 
(面倒な役割になってしまったな……)
と思って過ごしてましたが、終わってみるとその日はいつもより楽しく過ごせた自分に気が付きました。
 
その理由は、
楽しそうにしている友人たちは、カメラ担当のわたしにとっては「被写体」となり、
それを撮るという役割を得たわたしは、その日の自分の居場所を確保したからなんだろうと思われます。
 

それに、カメラを持っていると、
道端に咲いてる小さな花や、毎日同じように見える雲も、今までと違って見えました。
これまで見えてなかった世界が見えたことが、とても新鮮でした。

 
カメラがわたしのポケットの中に入る日が増えたのは、こんな消極的な理由があったからです。
自分が思っている以上にずいぶん救われてきたんだろうな。
ありがとう、カメ夫くん。
 
 
当日の朝。
 
よし、
充電もバッチリ。
予備電池もバッチリ。
「今日もよろしく頼むよ相棒」とSDカードもしっかり装着しました。

 
高速道路を約1時間かけて移動し、披露宴会場の駐車場に到着。
よし、着いた。
車を停めて、準備万端のカメラを持って……と……。

あれ? ない……。
間違いなく車に乗せたのに、車の中をどんなに探してもない。
あ……!
きっと、乗り合わせのため車を乗り替えたそのときだ。
自分の車の中にカメラを置いたままなんだろう……。
いくら準備をバッチリやっても、カメラそのものを忘れたら、手の打ちようがないってことで……。
 
しばらくの間、自分の半分を置き忘れてきたような気分になりましたが、
なんとか気を取り直してスマホで撮影を楽しみました。
忘れ物の多いわたしにとっては、いい時代になったもんです。
 
なにはともあれ、おめでとういとこくん。

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