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12月に「今年は1年長かったな~」とつぶやく方法

「え?もう1年が終わるわけ?」
と、愕然としているうちに、気が付くと新しい年がはじまっていて呆然とするというパターンを繰り返しています。
ここ数年ずーっと。

 

なんでそうなってしまったんだろう。
「今年も終わるんだな~」と、ラジオから流れてくる『雪の降る町 ※』を聴きながらしみじみ感傷的になっていた時代がなつかしい。
(※ ユニコーンの歌)

 

センチメンタルな青年期は過ぎて、現実や日常と向き合わざるをえない大人になったんだよ、と言われればそれまでなんでしょうけども。

 

だいたい、「歳をとるたびに時間が過ぎるのが早く感じる」というのが厄介な問題なんですよね。
来年、再来年、そして5年後と、どんどん加速してしまうわけですから。
センチメンタルな12月はもう一生味わえないことになります。
まあ、センチメンタルな12月はもう無理だとしても、
せめて「今年は1年長かったな~」という充実感あふれるセリフを年の終わりに言ってみたい!

 

ということで、
「歳をとるにつれて時間が経つのが早くなってしまう謎」
について調べてみました。

 

時間が長く感じたり、短く感じたりするときはどんなとき?

① 何かに夢中になっていると短く感じる。退屈だと長い。

 

これは実感としてわかります。
友人と遊んでいた休み時間、楽しい飲み会なんかはあっという間に過ぎてしまいます。
興味のない授業、立ちっぱなしのバイト、そんな時間はなかなか過ぎてくれません。

 

「楽しい時間は早く過ぎ、つまらない時間は長く感じる」
と、よく言われますが、実はこう感じてしまうのは、『時間の経過に、注意・関心があるかどうか』という説もあるようです。
時間の経過に注意・関心が向けられる頻度が高いほど、時間がより長く感じられ、逆に時間の経過をあまり気にしてないときや、時間の経過以外のことに注意・関心が向けられている場合は、時間は短く感じられるらしいです。
時計の存在を忘れるくらい楽しいときは、たしかに時間が経つのは早く感じますね。
逆に、自分が刑務所に入ってたら、はやく1年経たないかな~と時計やカレンダーばかり睨んでいるはず。で、その1年はすんごい長い。はず。

 

② 新鮮なことが多いと時間は長く感じる。前に経験したことをしているときは短く感じる。

子供のころは見るもの聞くもの新鮮なものだらけ。
大人になると知ってることばかりで、日常に新鮮さをなくしてしまっています。
だから時間が経つのが早くなるらしい。

 

どこか遠方へ車で出かけたとき、行きよりも帰り道の方が早く感じるのもこれが要因と言われています。

 

③ 経験する出来事が多ければ多いほど、その時間が長く感じる。

たしかに、1年の間にいろんなことがあると、去年の出来事が遠く感じます。

 

1月はハワイに旅行に行き、2月はメキシコへ出張、3月は鎌倉へ引っ越しをして、4月から新しい会社を立ち上げ、5月は自分の作品の個展をひらいた……みたいな友人がいたとします。
彼に、「去年の10月一緒に飲んだよね~、ついこの前みたいだけどね」
と、わたしが言っても、
「え?去年?なんか2、3年くらい前のような気がしてしまうんだけど」と、言われてしまいそうです。

 

④ 40歳の人の1年と、10歳の人の1年では、分母が違うから1年の重みが違う。

この考え方は「ジャネーの法則」と呼ばれているそうです。

40歳の人にとっての1年間は40年生きたうちの1年なので、1/40。
10歳の人にとっての1年間は10年生きたうちの1年なので、1/10。

例えば、財布に、
4万円入っているときの千円の出費と、
1万円しか入っていないときの千円の出費では、
感じる千円の重みが違う、ということと同じかな……。

 

⑤ 新陳代謝の速度が歳をとるほど遅くなるから、体内時計も遅くなる。

子供の方が新陳代謝の速度が速いので早くケガが治るように、
歳をとるにつれ新陳代謝の速度は遅くなります。
それにともない、体内時計も遅くなります。
なので、大人になれば、時間がゆっくり過ぎることになっていくそうなんです。

 

そんなことを書いてある本を読んで、
「あれ?逆じゃない?」と理解の悪いわたしは思いました。

その本にはその疑問の答えが書いてありました。

『さて、ここから先がさらに重要なポイントである。タンパク質の代謝回転が遅くなり、その結果、1年の感じ方は徐々に長くなっていく。にもかかわらず、実際の物理的な時間はいつでも同じスピードで過ぎていく。だから? だからこそ、自分ではまだ1年なんて経っているとは全然思えない、自分としては半分くらいが経過したかなーと思った、そのときには、すでにもう実際の1年が過ぎ去ってしまっているのだ。そして私たちは愕然とすることになる』

『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか 福岡伸一著』

なるほど!
だから毎年、愕然としてしまうのか!
ちなみにこの本の中では、④の「ジャネーの法則」を否定されておられました。

まとめ

「年をとるにつれて時間が経つのが早くなってしまう謎」が見えてきました。
これで対策を立てることができるはずです。

①…時間を意識すると時間が経つのは遅く感じる。
②…新鮮なことが増えると時間が経つのは遅く感じる。
③…経験する出来事が多い方が時間が経つのは遅く感じる。
④…今回見送り。
⑤…新陳代謝の速度があがると、体内時計も早くなり、よって時間が経つのは遅く感じる。
新陳代謝の速度をあげるには、朝起きたらストレッチをし、運動をし、良く噛んで食べ、湯舟につかり……。
要は、規則正しい生活を送りましょうということでしょうね。
運動も大事らしいです。
 

例えばこんな感じでしょうか。
 
ダラダラといつの間にか過ぎてしまう時間(目的のないスマホ見とか)を減らし、
日記などで1日を振り返る時間を作り、
時間の経過をいつも意識しながら過ごし、
いつも通る道、よく会う人であっても、その中に新鮮さを探し、
なんでも興味を持って世界をながめ、
いろんな場所に行ったり、
いろんな体験をして、
毎日体を動かして規則正しい生活を送る。
 
謎がわかれば、とっておきの方法が見つかる!
かと思いきや、すごく地味な解決策でした。
 
結局のところ、
ありふれた毎日を1日1日しっかり生きていくこと、
が1年を長く感じるコツのようです。

 
「今年は充実してて長く感じたなあ」とつぶやくことができるかどうかは、
あなた次第です。
ってことで。

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